瞳の胸の中で泣きじゃくる鈴音。



「何があったの?
 ねぇ、鈴音ちゃん!」



瞳の問い掛けに、やっと鈴音が答える。


鈴音
「私……私……
 やっぱりダメだった……」



「何がダメだったの?」


鈴音
「勇気が……出なかった……」



「え?」


鈴音
「せっかく、瞳ちゃんが教えてくれたのに……」



「……」



瞳は、そんな鈴音にかける言葉が見つからず、
ただ立ち尽くすだけだった。


鈴音
「ごめんね、瞳ちゃん」



そう言って鈴音は瞳から離れ、走り去ってしまった。



「鈴音ちゃん……」






翌日、鈴音は欠席していた。



「帰りに鈴音ちゃんの様子を見に行ってみよう……」



そして放課後、瞳は鈴音の家へと向かった。


ププ
「ここが鈴音の家ププ?」



「そうだよ」


ププ
「随分、大きい家だププ」



「じゃ、入るからププは暫く大人しくしててよ?」


ププ
「分かってるププ」