「無理…幽霊とか無理…」
「あれ、純苦手だっけそういう系」
「無理!弥生たちは平気なわけ!?」

三人は顔を見合わせてから私に向かってVサインをする。憎たらしい。

「実を言うと幽霊だけではないんですけどね。人でないもの全般とお話できるので、神様とか妖精とか妖怪とかも対象です」
「いるんだ…妖精とか…」
「都会には少ないですけど」

宮原さんは残念そうに笑う。

「神様と話せるって…実質最強じゃない?お願いすれば何でも叶いそうだけど…」

心が目を輝かせながらそう言うと宮原さんは顔の前で激しく手を横に振り

「無理ですよ、割といい加減なので、あの人たち」

と言った。
宮原さんが座り、灯里ちゃんが立つ。

「菊葉灯里、能力は変装です!姿だけじゃなくて…」

少し咳払いをして

「声もその本人の声にできます」

次に話した時には灯里ちゃんの声は私の声になっていた。

「私の声だ!」
「なるほどね…これなら純が騙されるのも納得だわ」

弥生がうーんと唸りながら腕を組む。