警視庁に移動した私達は会議室に通された。
ぐるりと部屋を回るように配置された机とふかふかの椅子。
部屋に入ってすぐに私は一番偉い人が座りそうなところを選んで座った。

「いいねえこの椅子。部室の椅子もこれにしたい!」
「何言ってんの。却下よ」

心にすぐさま否定され、唇を尖らせて椅子を回転させた。
くるくる回っていると

「お姉ちゃん、いい?」

真反対の位置に座る由音の、制止ともとれる少し冷たい声が聞こえてきた。

「はい、ごめんなさい」
「じゃあ改めて…とりあえず私達新入生の自己紹介、能力の説明付きって形でいいですか?」

新入生側の近くに座る警視総監がにこにこしながら頷いた。

「では私から」

立ちあがったのは宮原さんだ。

「宮原聖奈です。速水先輩以外にはばれちゃってますが、人でないものとお話できるのが私の能力です」
「え……人でないもの?つまりそれって…」
「幽霊とか」

予想通りの回答に私は白目を剥く。