どこからか、私たちの上司である警視総監の声がした。
「上よ」
心が指した方向には
「ええええ!?」
今までは無かった、観客席があった。
しかし後方に一箇所だけだ。全校生徒が使えるわけではなさそうだった。
「さあさあ、上ってきなさい。右の扉から入って、階段をのぼれぼ来れるから」
右側を見るとこれまた今までは無かった扉が。
「総監!」
「あ、こら純!」
私は地面を蹴って、総監のいる観客席に飛ぶ。
「相変わらずだね、純君の能力は」
「へへへ。ところでここは?」
「ここはGQ専用の座席だ。君らはここで朝礼を受けたりするんだよ」
「なんて素敵なものを作ってくれたの!!ありがとう総監!初めて感謝した!」
「はっはっはっ……え、初めて?」
私がキャーキャー騒いでいると
「純!」
心の怒鳴り声が響く。


