「どうやら、先輩は心の声を聞く能力のオンオフはできないみたいですね。阿仁間瑠都先輩も動物を使えない…。さあ、どうします?お一人で」
弥生は一歩後退する。
「逃げ…なさい!弥生!瑠都も!早く!」
「…わかった」
瑠都と弥生は即座に踵を返し、新入生達の部屋の方へと走る。
「あらあら」
「とりあえず、心さんを足止めさせてもらおうか」
「そうですね、お願いします」
「じゃあ、幽霊の声、とめてくれる?聖奈ちゃんは耳塞いでてね」
宮原さんはその要望にすぐさま答えた。
心は幽霊の声が無くなったことで耳を押さえてた手を外した。
「ごめんね心さん」
由音の言葉に直感的に危険を感じ、その場を離れようと立ち上がって走り出そうとしたが
「無駄だよ」
由音が息を吸い込んだ次の瞬間ー。
心は床に倒れこみ、眠り始めた。
「おやすみなさい」
床に眠る心を置き去りにし、由音と宮原さんは弥生達を追う。


