「一対三っていうのは気が引けるなぁ…」
弥生が申し訳なさそうにしていると由音はケロリと
「いえ、違いますよ」
そう言った。
「心さんはもうお気づきかと思いますけど、一対三では無いです」
「…そうね、一対三でなくて…ニ対三かしら?」
「お待たせして申し訳ありません」
心達を挟み込む形で、宮原聖奈が現れた。
「私達でお相手します」
にこりと微笑む彼女に対して、
「…何を集めていたの?」
心がぎこちなく微笑み返す。
すると彼女はまぁ、と目を丸くした。
「やっぱり心の声が聞こえているんですね」
「まあね。だから作戦なんかも筒抜けよ」
「作戦なんて…。でもまぁ、あなたの能力は確かに厄介ですね。でもとても興味深いです…一体どこまで聞こえているのか」
「距離の話…?」
心が訝しげに宮原さんを見るが彼女は何も答えない。
代わりに上品に手を叩き「皆さんお願いします」と一言だけ発した。
途端に
「…なっ…!あなた、何を…!」
心が耳を抑える。


