おはよう、と校舎前のそこらで朝の挨拶が交わされる。
長かった春休みが明け、本日は入学式。

「はあぁぁぁぁぁ〜…」
「どうしたのよ純」
「あ、心おはよう…」

ヘラッと笑うと、心は呆れた顔をする。

「なんて情けない顔してるの…新入生にがっかりされるわよ、あんな人がGQなのかって」
「それ!!その新入生が問題なの!!」
「はあ?」

心と私が話していると、寮の方向から弥生が走ってきた。

「間に合った!」
「朝からお疲れ様」
「あれ、純、今朝は早いね。どうしたの?…あ、妹が入学するから?」
「それぇぇぇぇぇ!!」

思わず出た大きい声に周囲の人まで目を丸くする。ついでに心に頭を叩かれた。痛い。

「由音ちゃんが入学することと、あんたの情けない顔に何か関係あるの?」
「妹が同じ学校に入学なんて…恐ろしい…!しかもあの子Gクラスだよ!?」

『Gクラス』
そのクラスに所属する人物はごくわずかである。所属条件はただ一つ。特殊能力があるかどうか。
しかもこのGクラス、実は警察組織であり、日々めまぐるしく活動中の『GQ』という組織と同一なもの。
つまり、『GQ』のメンバーと『Gクラス』のメンバーは同じということである。

「朝から何騒いでるんだよ…」
「瑠都!」
「聞いてよ、この子ってば…」

私、心、弥生、瑠都の四人で話していると

「見て…!GQだよ!」

周りが静かに騒ぎ出す。