先生は私の手をひざに置き
私の涙をぬぐった。

ゆっくり優しく。
先生のきれいな指を私の涙で
汚していく。


「皆、お前のことが大事だからだろ?

片山、お前が教室飛び出した後
ずっと泣いていたんだぞ。

…私、さくらにひどいこと言っちゃった。
って。

俺はさ、あえて何があったか聞かなかったけど
辛くなったら何でも言っていいんだぞ?



…あと……探しにくるの
遅くなってごめんな。」


先生は優しい声でささやいた。
心があったかくなった。


「せんせ…


私、幸せ者だね。」


「おう。
皆お前の味方だ。」

いつものように笑顔を見せて
頭をくしゃくしゃ撫でてきた。