・・・。
なんでこいつはお礼ひとつ言えないのさ!!!!!!!!
もういちいち怒るのも飽きたわ!!!!!!!!!
「別に・・・。心配してほしいなんて言ってないじゃない!」
「そうか、じゃあ大丈夫だね。僕はこれで。」
そそくさにその場から去ろうとしている彼をあたしは慌てて引きとめた。
・・・お礼なんて期待してない。ただ、なんとなくよ。
「まっ、待ってよ!!」
「ん?」
ふいに立ち止まる彼を見て思わずドキッとする。
変なの・・・、あたし。
ここはキレてもおかしくないところなのに。
それよりもなんでこんな奴のことあたしは庇ったんだろ?
自分から呼び止めたくせに一向に話し出さないあたしに彼は一息ついて呟いた。
そして、その言葉を聞いてあたしは硬直する。
「・・・僕は君が嫌いだ。」
―――――
――
ヒュゥー・・・
開いていた窓の隙間から風が入り込む。その風がまるであたしの心情を表しているみたいでなんか虚しかった。
彼はあたしに聞こえない程度の声量で呟いたつもりみたい。
「じゃ、お大事に。」
と他人事のように吐き捨てて部屋から出て行った彼の背中をただただあたしは哀しい表情で見つめてた。
・・・聞こえてんだよ、ばーか。