「ひどい...」



気付くと泣き疲れて寝ていたあたし。



目覚めて鏡を見ると崩れた化粧に腫れぼったいまぶた、浮腫んだ顔...とにかくひどい顔をしていた。



とりあえずそのひどい顔をリセットするためにもシャワーを浴びる。



髪を洗おうとシャンプーに手を伸ばすと視界に入る桂史専用シャンプー。



そして、またこみ上げてきそうになる。



お風呂場から上がり、化粧水に手を伸ばすとその横には桂史がいつも使っていたひげ剃り。



桂史が使っていた物はほとんど残されていて、桂史がいたことを痛いほどに感じされられる。



棄てようとゴミ袋を手にするが、私にはそんな勇気はまだなかった。



辛いはずなのに愛おしく感じてしまう。



本当バカみたい。



こんなにも桂史のことが好きだったなんて...