室内には誰もいなかった。



「桂史...桂史...桂史...」



その場に座り込んだ途端、涙が溢れてきた。



嗚咽混じりに決して届くことのない名前を呼び続けた。



桂史はあたしを選んでくれなかったんだ...



悲しさと虚しさで押しつぶされそうだった。



ふらふらになりながらあたしはそのままベッドに潜り込んだ。



微かに感じる桂史の匂い...



眠りながらあたしの名前を呼び、抱き締めてくれることは2度とないんだと思うと更に涙が溢れた。



...さよなら、桂史...