すぅー...



深く息を吸い込む。



心音は激しいままだ。



インターフォンを押そうとする指が直前で止まる。



...もし桂史がいなかったら。



何で鍵を持たないで家を出ちゃったんだろうと後悔する。



ゆっくりとドアノブを回す。



やはり開いてはいなかった。



すぅー...



大丈夫。



再び深く息を吸い込み、自分にそう言い聞かせてインターフォンを押した。



ピンポーン



...



ピンポーン



...



ピンポーン



...



ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン...!!!!!



気付くとあたしはインターフォンを連打していた。



何で!?何で!?



あたしは階段を駆け降り、マンションの入り口にある郵便受けを開けた。



...何で...?



あたしはそこにあった鍵を握りしめ、階段を駆け上がり、部屋のドアを開けた。