本当は桂史と喧嘩をする度、悲しかった。



そんなことしたくなかった。



いつまでも仲良しでいたかった。



でも、いつしか顔を合わせれば喧嘩をしてしまうようになってしまった。



桂史の言葉や行動一つひとつが気になってしまう自分がいた。



それは桂史が浮気しているんじゃないかと思い始めた頃からだ。



浮気を疑い、イライラをぶつけるあたし。



そんなこと桂史の気持ちが更に浮気相手に向くに決まっているのに。



現に喧嘩が多くなってから桂史は実家に帰るとあたしんちに帰ってこないことが増えていった。



何やってるんだろう...あたし...



このままだったらあたし達...



そう思ったら不安で不安で仕方なかった。



でも、どこかでやっぱり勘違いだろうと思っていた。



もし本当だったとしても最後には私を絶対選んでくれる、そう思っていた。



だから、明日帰ったら俺には夏奈美しかいない!っていってくれるよね?



...なんてバカみたい。



本当は私、こんなにしがみつきたいほど桂史のこと好きなんじゃない...