あたしと王子とバカ

「あーぁ!もう!」



何だかモヤモヤしてついそんな独り言を言ってしまう。



もし、庄司君が待っていたら...



そんなことばかり考えてしまう。



こんな時バカと喧嘩していたら余計なことを考えなくて済むのにこんな日に限ってまだ帰ってこない。



いなくても良いときにはいるくせに!



とりあえず気を紛らわそうとテレビを付ける。



『9回の裏、大成ビースターの攻撃が始まります!』



ブチッ!



思わず電源を落としてしまう。



普段ほとんど見ないテレビなんて入れたらまさかの庄司君のチームの試合中継だなんて。



今考えたくない人を思い出させるには充分過ぎる。



こうなったらいつものように音楽を聞こうとパソコンに手を伸ばす。



『1点ビハインドの大成ビースター!サヨナラはあるのでしょうか!?』



その手は途中でリモコンへ伸びてしまった。