「それ本当なら超上物じゃん!」



どうやら相談する相手を間違えたようだ。



でも、月子しか相談できる相手がいない。



ましてや相手が相手だもの。



あの後、桂史に見つからないようにこっそりネットで庄司君のことを調べていたらファンがたくさんいて何人もの女子アナやモデルが狙っているという内容が書かれていた。



もちろん付き合っているとの噂も。



これは完全に遊ばれているに違いないと確信した。



月子曰わくそんな上物なら遊んでもらえるだけでもラッキーじゃない?とのことだけれど。



平々凡々の幸せな人生を送りたいあたしにはそんなの必要がない。



ブーブー。



そんな時にタイミング悪く震える携帯。



ディスプレイに表示された文字は



『着信:庄司遥輝』



もちろん出るつもりはない。



「あっ、王子からの電話じゃない?」



隣には月子。



本当にタイミングが悪い。



何食わぬ顔をして携帯をポケットに入れようとする。



「何してんの?」



あっさりと奪われ、通話ボタンを押される。