「あっ、俺晩飯食ってきたから。」



お風呂から上がるとタバコを吸ってテレビを見ていたバカ。



ほら、やっぱり無駄だった。



「いらないならいらないで連絡入れてよね!」



「いないなら別に作らなくて良いし。お前が勝手に作ってるだけじゃん。」



...もうダメだ。



何だかんだでいろいろと理由をつけて言わないでいたけれど、もう限界だ。



「桂史もうあたし達」



『本日のクローズアップのコーナーは大成ビースターの期待のルーキー庄司遥輝選手です!』



耳に届いたその音声に言葉が途切れる。



庄司、遥輝、選手?



「最近何でも王子って言えば良いと思ってるよなー。がむしゃら王子ってバッカじゃねーの。」



聞き間違いかと思い、テレビに視線を向ける。



『先日のプロ初ホームランの感想は?』



『実はあんまり覚えてないんです。』



はにかみながら人気の女子アナにインタビューに答えていたのは紛れもなく野球のユニフォームを身にまとった庄司君だった。




どういうこと?