「乾杯。」



とりあえずそう言ってグラスを重ねる。



バカへの罪悪感や男の子への不信感などいろいろあるけれど、こんなお店なかなか来れないわけだし、料理を楽しもう。



「美味しッ！」



料理のあまり美味しさに思わず大きな声でそう言ってしまい、慌てて口を抑える。



危ない危ない。



ここはいつも行くラーメン屋や居酒屋じゃないんだった。



「それなら良かったです。」



そんな私をみて微笑む男の子、ショージ君。



昨日のせいか今日はどうやら飲まないようで水ばかりを口に含んでいる。



そりゃ、あれだけ酔っ払ったら飲まないよね。



「あの、今更何ですが名前教えてもらっても良いですか？」



「あぁ、えっと...河本夏奈美です。」



ショージ君に対する不信感はあったものの、名前くらいは良いかと素直に教えた。



「ありがとうございます！僕は庄司遥輝です！」



また可愛い笑顔を見せる。



年下好きのお姉さま方から好かれそう。



もしやここもそんなお姉さまに教えてもらったのかも。