「はぁ...」



思わず溜め息が零れる。



現在時刻は18時50分。



場所は桜町駅の改札前。



「はぁ...」



再び溜め息が零れる。



19時にここで待ち合わせなのだ。



月子に内緒でばっくれようと思ったのにあっけなく捕まってしまい、無理やりここに連れてこられたというわけだ。



来てしまったもののやっぱり気分は乗らないわけで...



うん。



帰ろう!



「すいません!お待たせしました!」



後ろから聞こえた声に落ち込む。



こうなったらもう諦めるしかない。



恐る恐る後ろを振り返る。



「僕から誘ったのに待たせてしまってすいません!」



そこに立っていたのは紛れもない昨日の男の子だった...はず。



あれ?



こんなに可愛かったっけ?



昨日はあたしも酔っ払ってたし、男の子は具合悪そうにしていたけれど別人とも言えるくらいキラキラして見える。



これは月子が手を出したくなる気持ちがわかる。



可愛い弟キャラって感じだ。