耳に響くのは、ピーッという心電図の無機質な機械音。 隣で泣きじゃくる彰哉のお母さんの鳴き声すら遠くなっていくような気がした。 もう、彰哉があの温かい眼差しを向けてくれることも 優しく微笑みかけてくれることもないんだ。 そんなの、信じられなくて。 信じたくなくて。 声をあげて泣きたいのに、私は泣くどころか声を出すこともできなかった。 窓から空を見れば、きれいな満月が雲の隙間からのぞいていた。