「そんなの...ムリだよっ.....。
私はっ...私は彰哉だけでいいのにっ.....」


言いながらあふれてくる涙をとめることもできなくて。


そんな私を見て彰哉は困ったように笑う。


「泣くなや…黄菜。
俺は...黄菜の笑...顔が好きな...んやから。
必ずもう一...度..生まれ...てきて君の笑顔...に恋を..する。」


涙で彰哉の顔もほとんど見えなかったけど
彰哉は優しく微笑んでるんだろうな、と思った。


どちらからともなく顔を近づけて
私たちは唇を重ねた。


最初で最後の、優しいキスだった。


唇が離れて顔を上げると彰哉は優しく微笑んで
静かに目を閉じた。