「真奈?」 ふいに自分の名前を呼ばれて振り向くと河瀬大和がポケットに手をつっこんで立っていた。 「なんでいんの…?」 「なんでって…俺こっち方向だし」 あ…そういえば私の家って希小の近くだ…。 「一緒の方向なんだ…」 自分にしか聞こえないくらいの声で呟く。 「ん…なんか言った?」 「別に…言ってないよ」 河瀬大和は「ふーん」って言いながら歩きだす。