あとでいずみさんは、その三日月のペンダントは、闇の天使からもらった物だと聞かせてくれた。
そのペンダントのおかげで彼女は月の一族以外の者の過去と未来を見ることができるようになった。
それは闇の天使…神紫貴(ジン シキ)からもらった能力だった。
彼がカナンといずみさんを護ってこの世から消える直前に……。
わたしたちはその夜、セイジュのお父さんの家で休ませてもらうことになった。
わたしはなかなか寝付けなくて、外の空気を吸いに出ると、家の前にセイジュが一人立っていた。
「…セイジュ…あなたも寝られないの?」
背中を向けたまま何も答えないセイジュに、わたしはもっと近づいて言った。
「セイジュ?」
肩に手をかけると、彼の体が小刻みに震えているのが伝わってきた。
……泣いている…?
「セイジュ…あなた…」
彼は、月をバックに振り返った。
蒼の瞳から流れるひとすじの滴は、蒼い空に美しく浮かび上がる真珠のようだった。
「セイジュ」
「美月…オレは永遠の愛を信じていない。でも…母さんの愛は本物だった。母さんの最期を看取ってやれなかったこと、とても後悔している。美月、すまない。……オレは君にも同じ想いをさせている」
そのペンダントのおかげで彼女は月の一族以外の者の過去と未来を見ることができるようになった。
それは闇の天使…神紫貴(ジン シキ)からもらった能力だった。
彼がカナンといずみさんを護ってこの世から消える直前に……。
わたしたちはその夜、セイジュのお父さんの家で休ませてもらうことになった。
わたしはなかなか寝付けなくて、外の空気を吸いに出ると、家の前にセイジュが一人立っていた。
「…セイジュ…あなたも寝られないの?」
背中を向けたまま何も答えないセイジュに、わたしはもっと近づいて言った。
「セイジュ?」
肩に手をかけると、彼の体が小刻みに震えているのが伝わってきた。
……泣いている…?
「セイジュ…あなた…」
彼は、月をバックに振り返った。
蒼の瞳から流れるひとすじの滴は、蒼い空に美しく浮かび上がる真珠のようだった。
「セイジュ」
「美月…オレは永遠の愛を信じていない。でも…母さんの愛は本物だった。母さんの最期を看取ってやれなかったこと、とても後悔している。美月、すまない。……オレは君にも同じ想いをさせている」