「紫貴……あなたに……逢いたい――――!!」




いずみさんが想いのありったけを言葉に込めた瞬間。



いずみさんが握り締めていたペンダントが一気に輝き始めた。



ペンダントから紫の光が飛び出て壁に映像を映し出す。


「……これは……!!」


それは神殿だった。

ギリシャの荘厳な建築を想わせるような神々しい神殿。

それは、小さな湖の横にひっそりと建っていた。

「…ここに“闇の天使”と……カナンがいるのか…!」


トクン、トクン。

いずみさんと闇の天使の愛の鼓動が聴こえた気がした。

なんだろう?

以前、ずっとずっと昔に……わたしも、こんな鼓動を感じたことがある。

二人の鼓動が重なって、一人で奏でるよりももっと切ない愛の鼓動を………。


「蒼の神殿。…森の奥深く…忘れられた神殿だ」