横を歩く背の高いセイジュを見上げながら歩いていたわたし。

足元に注意を払っていなかったわたしは、思い切り草に足を滑らせて前へよろけた。

転ぶと思った瞬間、セイジュの腕に力強く引き寄せられた。

「…大丈夫か?」

「…うん」

セイジュに優しくされるのがまだ慣れなくてなんだかドキドキする。

セイジュの方もなんとなくそれを感じたのかそっけなくわたしの腕を離して言った。

「…美月。君は実体のままここへ来たんだ。いわば生身の体。転べばケガもするし痛みも伴う。気をつけろよ。君のママのように魂と体が引き離されてしまうと命の危険もあるが」

そうだった。

2つの魂を持つわたしは実体のままここへ来ることができたんだ。

でも、ママは実体を地球に置いたまま魂だけここへ連れ去られてしまった。

魂と実体を引き離されて長い時間がたってしまったママは今、とても危険な状態にある。

「セイジュ…ママは…今どこにいるの?早くママを探さなきゃ!!」