パパは病院が忙しく、時間が空いても病院でママの看病をしているためになかなかゆっくり会うことはできなかった。

いずみさんに会いに行ったと言ったらびっくりするかな。

日曜日、私は沙希たちと遊園地に行って帰ってきたらパパに話そうと決めた。

日曜日の朝。

予定通りの遊園地日和な晴天で、私は久しぶりに晴れ晴れとした気持ちで家を出た。

ミラージュムーンに行ったらどうなるかわからない不安もあったけど、今だけは沙希たちと思い切り楽しもう。

そんな気分だった。

｢沙希！舞！おっはよ～！｣

先に遊園地の門の前で待っていた二人が駆け寄ってきた私を見つけて笑顔で手を振った。

｢やったね、晴天！｣

会った瞬間に３人でハイタッチする。

明るい笑顔で笑いあう私たち。

ほんとうに何も変わっていないように思えた。

この時までは……。


｢絶叫系行くよ～！｣

｢えぇ！？最初から？いやだ～！待ってよ、沙希！｣

沙希は元気よく私の手を引っ張りながらこの遊園地で一番怖いというジェットコースターへと歩いていく。

絶叫系が苦手な私は嫌々手を引っ張られている状態だ。


｢も、もうヘロヘロだよぉ、沙希…｣

遊園地に来て２時間が経過していた。

沙希の乗りたいものに連れまわされていた私の三半規管はかなりヘロヘロになっていた。

｢さすがの私もちょっと限界！休もう、沙希｣

舞も私と似たような状態らしく、休憩を願い出る。