「使命」と言った時のいずみさんの瞳にとてつもなく強い決意を感じた。

それは強固なまでに自らを奮い立たせる十字架。

いずみさんはずっとそんな使命を背負って生きてきた。

月の一族とは、いったいどれほどの重い十字架を背負って生きてきた人たちなのだろう。

「いずみさん、私には月の一族の使命がどんなものかはわからないけれど、この想いだけは誰にも負けない。ママを助けたい!力を…貸してください」

「…もちろんよ。あなたのママは永遠に私達の女神なのだから」


帰り道で、セイジュに、今集められる月の一族はこれだけだろうという話をした。

いずみさんと香織さん、それにパパ。

セイジュはいずみさんと会って、いずみさんの一族としてのパワーの強さを感じ取ったらしかった。

数は少なくても彼女がいればなんとかなるかもしれない、とセイジュは言った。

いずみさんは、ガードの中でも彼らを指揮し、鼓舞する最も重い使命を背負った人だ。

いずみさんがいればなんとかなる。

彼女の存在に気持ちが少し軽くなった気がした。

「次は、須藤十夜も連れてここへ」

セイジュはそう言って私と別れた。

……いよいよママのところへ行くんだ!