「君がその二つの魂を完全にコントロールすることができれば、実体ごと月へ行くことができる。つまり、君のママを連れ戻すことができる」

「ほんとうに!?」

私は声が裏返るほどに驚きの声を上げた。

「だが、今の君では完全にコントロールすることは不可能だ。二つの魂の実感すらないのだからな」

「じゃ、じゃあ、無理…ってこと?」

突然天へ上って再び地へと突き落とされたような気分になる。

セイジュは瞬きもせずに私をじっと見つめると不敵に微笑んだ。

「君のママはガードがいたからこそ、その力を発揮できた。君にも、ガードが必要だ」

「ガード?パパみたいな守護天使ってこと?」

「そうだ。同族の力を借りれば、君は自分の秘めた力を呼び覚ますことができるはずだ。できるだけ、たくさんの同族が必要だ」

秘めた力……。

私にそんな力があるのだろうか?

半ば夢のような気持ちでセイジュの言葉を聞いていた。

「パパ以外に、同族の心当たりは?」

同族……。

月の一族。

月の……?

「いた!!月野いずみさん!!」