月からの声が聴こえる。

―アイシナサイ


汝の愛しい人をアイシナサイ


汝の愛は永遠なり――!!


月のエナジーが私の体を満たし、

愛が海のように光となって溢れ出たあの頃。


この時、『愛』が記憶となって、私を支配した。

これは、記憶。

月の女神の記憶。

私が愛した記憶――!!

私が愛したのは―


一瞬ののち。

私の全ての記憶は川となって流れ、愛しさも、切なさも、蒼の霧の中にその姿を消した。


全てが―

セイジュの黒の瞳の中に、


――闇となって、消えていった。