「パパ!!ママ、ママはどこ!?」

パパは表情を少し曇らせると、一つふうっと大きなため息をついた。

「ママは、病院だ」

「病院?」

「美月が遊園地へ向かったあとに倒れてね。今、パパの病院に入院している。体は正常だが、意識が戻らない」

パパはあくまでも冷静に患者の家族に告知するように私にゆっくりと語りかける。

パパ、なんでそんなに冷静なの?

私はいつのまにか流れてくる涙を拭うことも忘れてパパの両肩をつかんで叫んでいた。

「意識が戻らないって、ママどうなっちゃうの!?パパ、パパなら治せるんでしょ!?パパ、私なんかいいから、ママのところに行ってあげてよ!!」

ママ、こんなことなら、パパに内緒にするんじゃなかった!!

倒れたの知っていたのに、私は何もしてあげられなかった。

ごめんね、ママ。

ママの傍には私しかいなかったのに!!

子供のようにしゃくりあげて泣き続ける私。

パパはベッドの上に座ると、グイっと私の肩を引き寄せて抱きしめた。