白昼夢


――あれから、アキトは今までと変わらず優しくしてくれるし、一緒にいてくれる。

バレンタインも2人で過ごしたし、テスト勉強も一緒にしていた。


でも、やっぱり
私のこと、もっと好きになってもらいたいって
いつも思うんだけど
どうすればいいのかわからないな…。


そんな複雑な心境のまま、私たちは二回生になった。


テニスサークルにも新入生が入ってきた。

「おっ!新しい顔触れがたくさんやなぁ!!アキトー!新入生と打ちにいこうやっ!」

「ヒカル手加減しろよ?!」

「ユイ!うちらも行こうよっ!」

「おっけー♪」

うちらがテニスコートへ向かおうとすると後ろから…
「ハル!?」

振り向くとそこには、


「ヒロ……!?」

「うわぁー!!ひっさしぶりやなぁ!!元気しとったかぁ??」
ヒロという名の男がハルの髪をぐしゃっとした。

それを見たアキトは、少ししかめ面をした。

「…あ!!みんな紹介するなぁ!同じ中学やった、相田氷呂(アイダヒロ)!ヒロは国立大の理工学部に通ってます!…って、え、何でここにおるん??!」

「授業の研究でここの大学と提携してるねん。夏まではちょくちょく出現するから☆」

「へぇーそうなんや。あ、みんなの紹介もするなっ!」