私は特に驚きも傷つきもしなかった。
これは前から予測していたことだから。
何よりも、アキトが包み隠さず素直な気持ちをぶつけてくれたことが嬉しかった。
「……ごめんな。」
「いいよ、ちゃんと話してくれてありがとう。」
「こんな最低な俺を振ってくれていいで。」
「……、
……無理、離れられない。」
私はアキトに強く抱きついた。
｢私は…アキトが好き!だから…離れたくない。｣
私の目からは涙がポロポロ溢れる。
アキトはハルの頭を優しく撫でて、静かに口を開いた。
｢…前も言ったかもしれないけど、俺がルナを忘れるまで時間が掛かるし、もしかしたら…忘れられないままかもしれない。そんな俺と一緒にいてもハルが傷つくだけやで…。｣
｢傷ついたっていい。側にいたい。｣
アキトは何も言えなくなった。
今はただ、ハルの涙をふくくらいしかできなかった。
