ゴ―――ン………


除夜の鐘が響き渡る。



「明けましておめでとーっ!!!」



今日は元旦。新しい年が始まる。


初詣は深夜にも関わらず、多くの人で賑わっていた。


アキト、ヒカル、ハル、ユイは着物を着て、賽銭の行列に並んでいた。


ついに、アキトたちの番になり、一斉に賽銭を投げ込んだ。


パンパンッと手を合わせ、各自お祈りした。


ハルには、お願い事がたくさんあった。

今年も皆幸せな年の過ごせますように。
友達が更に増えますように。
アキトと仲良しでいられますように。
賢くなれますように。
単位を落とさないで……



全ての願い事を願い終え、目を開けると、アキトたちはいなくなっていた。


「こっちやで!!」


人ごみを外れたところに3人は立っていた。


「どこ行ったんかと思ったぁ~!!」

「お前、10円しか入れてないくせに、祈ること多すぎやねん。」

「だって、いろんなところに賽銭するつもりやもん。」

「他の賽銭箱の前でも、今みたいに長時間祈るつもりなん!?」

「え?そのつもりやけど?」

「ハハッ!!ほんま、お前には負けるわ。」


2人のやりとりを、ヒカルとユイは微笑ましく見ていた。

「なぁ、ユイ。」

「ん?」

「ユイは何を祈ったん?」

「秘密♪ヒカルは?」

「じゃあ、俺も秘密のアッコちゃん♪」

「うわ~。懐かしいね!!」

皆、楽しいときを過ごしていた。