ハルはアキトの腕の中から出て、ベンチに座り、逆にアキトを抱きしめながら頭を撫でた。

「…撫でられる方ってこんな気持ちなんや…。」

「いつもはアキトが撫でてくれるもんな♪」

「何か…温かくて優しい…。」



冷たい風が吹いてきた。



「…そろそろ帰る?」

「いや、もう少しこのままで…。」


今日のアキトは変だ。

いつもは絶対こんなこと言わない。



でも、
素直なアキトも好き。

俺様なアキトも好き。

勉強してるアキトも好き。

アホなことして爆笑してるアキトも好き。


あなたの全てが好き。



…私もあなたに会えなくて、どれだけ寂しかったことか。


アキトにメールしたくて仕方なかった。
電話もしたかった。


確かに、勉強の邪魔をしたくなかったから連絡しなかったという理由もあったけど


本当は


あなたにとっての私の存在価値はどれ程のものなのか、知りたかったんだ。



いつも負けてばっかの私だけど



今回は



私の勝ち。





お互いがお互いを想いあっての関係。



この関係がいつまでも続きますように。

どこまでも続く

この夕日の光のように…。