白昼夢

―文化祭後夜祭。


広場に行くと、軽音楽部がライブを開いていて、かなり盛り上がっていた。


アキトとハルは食堂で飲み物と軽食を買い、ベンチに座り、2人でライブを見ていた。



「…文化祭楽しかったね。」

「そやなぁ!めっちゃ盛り上がったしな。」

「うちも、こんなに盛り上がるとは思わんかったわ!」

「友達もたくさん出来たしな。」

「うん、この3日間で友達増えたわっ♪」


ライブの歌がBGMのようにK大学を包み込んだ。


皆の楽しそうな顔


明るい笑い声


「…この大学に入って良かった…。」

ハルの目は涙目になっていた。

「去年の今頃は、この大学目指して毎日頑張ってたな…。模試では必ずE判定で、もう入れないと思ったときもあったけど…最後まで諦めずに勉強して良かった…。」



ギュッ…。


アキトは今にも泣き出しそうなハルを抱き締めた。


「俺も…俺もこの大学に入って良かったと思ってるで。この大学で素晴らしい仲間に出会えたしな。それに…。」




「お前と出会えたからな。」



ハルの目から次々と溢れ落ちる涙。