「おいっ!あんまり俺をからかうなよ!?」
アキトの顔はほんのり赤かった。

「ごめんって!それよりさ、ほんまは何で一人で見に行きたいん?」
ユイが不思議そうに聞いた。

「…あいつの努力した証をこの目でじっくり見たいから。」
アキトは優しい眼差しでハルを見ていた。


その日の4人には、いつもよりもずっと優しい空気が流れていた。



―2日後の夕方。

アキトは、例の美術館に行った。


美術館には様々な作品が展示されており、どの作品にも製作者の魂が込められていた。


アキトは絵画展示場に入り、ハルの作品を探した。






『君と見た空』 千秋 春



ハルの作品を見つけたとき、全身に衝動が起こると同時に、ハルと過ごした日々が走馬灯のようにアキトの頭をよぎった。



この絵って…


あの日…
6月に学校で見た虹やん。


その日の記憶がどんどん甦ってくる。


前の彼女が消えてから、

初めて心を開けた人…。

初めて涙を見せれた人…。

初めて俺のことを本気で想ってくれた人…。

初めて安心できる人…。

一緒にいると
とても居心地が良くて

優しい気持ちになれて

楽しくて…。



あのときから

俺はハルのことが好きだったのかもしれない。