席に行くと、隣に疾風が、その前に奏哉が。


「この話はまた後で」

とニヤけながら奏哉に言ってるが…聞こえてるから、疾風。
視線を移してもニヤけ続ける疾風に不信感を抱く。


「なに、どーしたの」

「まぁ色々だよ」

「あぁ、色々と」


明らかに怪しい二人に疑問を浮かべながら席に着く。

すると疾風がニヤつきながらアタシに「どうだった?」と聞いてきた。


「はい?」

「律輝とはどうなったんだよ?」

「…律輝ですか」

「ま、どうせ上手くいかなかったんだろーけど」

「いや、そうでもな…」


内心やっぱお前悪魔だ…と思いながら何とも言えない状況で苦笑いを浮かべた。

ふいに奏哉を見ると、急に目が合った。
すると奏哉がバッと目を逸らして少し悲しげな表情をした気がした。
だけどただの思い違いかな…と思い気にしないことにした。


「…お前はさ。リッキーのどこが好きなの?」


唐突に奏哉の口から思わぬ質問が出た。
アタシも疾風もその行動に驚きを隠せないでいた。


「…よくわかんないけど、目も性格も、…もう全部が好きだと思う」


少し照れながら言うとプッ、と言いながら、疾風が爆笑し始めた。


「おま、ベタ惚れ…っ」


暫くしても収まらず、遂には腹を抱えながら笑い出してしまった。
苦笑いをしながら見ているアタシと奏哉。
二人で顔を見合わせながら呆れていた。