五限目が終わりダッシュで教室へ戻ってきたアタシ。
「なんで走るのーっ!?」って絵美に聞かれた気もするがそんな言葉も今のアタシの耳には入ってこなかった。
今のアタシの頭には、この休み時間に律輝が教科書を返すため、わざわざ教室へ来てくれるってことだけ。
知ってのとおり、アタシはこの三年間、ずっと律輝を想っていた。
そんな想い人を待たせたりなんて、絶対したくない!
そんなことを考えながら、やっと教室に着いた。
律輝がまだ来ていないのを確認して、アタシは自分の席に座って、休息をとる。
早くこないかなぁ〜なんて思っていると、横から聞き慣れた…というより、聞き飽きた声がした。
「雪那っ」
そう、"ただの幼なじみ"の桜井奏哉だ。
このあと、折角好きな人に会うっていうのに…なのにその前に大っ嫌いな奏哉に話し掛けられるなんて…!
「…なに?」
「お前、なんでそんな機嫌悪ぃの?」
無神経すぎる奏哉の質問に少しイラッとした。
「別に…何もないよ」
私はそう言ってポーチから再びミラーを出した。
見たついでに、薄く色づくリップを塗り今か今か、と待ち侘びる。
「なんで走るのーっ!?」って絵美に聞かれた気もするがそんな言葉も今のアタシの耳には入ってこなかった。
今のアタシの頭には、この休み時間に律輝が教科書を返すため、わざわざ教室へ来てくれるってことだけ。
知ってのとおり、アタシはこの三年間、ずっと律輝を想っていた。
そんな想い人を待たせたりなんて、絶対したくない!
そんなことを考えながら、やっと教室に着いた。
律輝がまだ来ていないのを確認して、アタシは自分の席に座って、休息をとる。
早くこないかなぁ〜なんて思っていると、横から聞き慣れた…というより、聞き飽きた声がした。
「雪那っ」
そう、"ただの幼なじみ"の桜井奏哉だ。
このあと、折角好きな人に会うっていうのに…なのにその前に大っ嫌いな奏哉に話し掛けられるなんて…!
「…なに?」
「お前、なんでそんな機嫌悪ぃの?」
無神経すぎる奏哉の質問に少しイラッとした。
「別に…何もないよ」
私はそう言ってポーチから再びミラーを出した。
見たついでに、薄く色づくリップを塗り今か今か、と待ち侘びる。