『凌央くん』
いつも授業中は寝てばっかの星野が珍しく起きてて、俺に話しかけてきた。
『ん?何?』
『里衣ちゃんとは話せたの?』
『あぁ。 ちゃんと話した。
それで、やっぱり別れることになった』
『そっか…』
星野が声のトーンを落として呟いた。
『わりぃな。
せっかく背中押してくれたのに』
『うぅん。
ちゃんと話せただけでも、よかったじゃない。
ちゃんと、さよなら言えたんでしょ?』
『あぁ。
ホントにもう全部終わったよ』
『これがスタートなんだよ、きっと。
恋が終わってからが、スタート。
これから、自分がどう立ち直ってどう生きていくか、新しい恋をどうやって見つけるか
凌央くんには、今いろんな可能性があって
その可能性をつぶさないで、今を生きるの』

