涙を優しく拭うと、里衣は俺の目を見て言った。





『だから… 上書きして。

あたしに、凌央がキスして』





理性がふきとぶ。




里衣が愛しい。




俺は、誰からも見えないような屋上のドアの影のところに里衣を引っ張っていった。





初めは、優しいキスを繰り返した。




どんどん、キスは激しくなる。





もう、誰にも触れさせない。




俺は里衣に覆い被さるようにキスを繰り返した。





『里衣… 好きだ。

俺は、お前しか見えない』





キスの合間に、囁くと


里衣も答えた。





『あたしもだよ。

凌央じゃなきゃ嫌』





壊れるんじゃないかってくらい、強く抱き締めた。




里衣も俺の背中に腕を回して、胸に顔をうずめた。





世界で一番、君が愛しい。