『今日は帰れ』
『でもっ…』
里衣が泣きそうだ。
でも、俺の頭は完全に取り乱してる。
『いいから。早く帰れ』
今まで、こんな口調で里衣と話したことがあるだろうか。
里衣は、黙って自分の荷物を肩にかけて教室を出ていった。
『凌央、いぃのかよ?里衣のコト』
俺は何も言わなかった。
『凌央! キレるのは分かるけど、里衣にまであんな言い方……』
『っるせぇ!!
俺だって、分かってんだよ。
竜生が、勝手にしたってことくらい…
だけど、イラつくんだよっ…!』
遥斗が真剣な顔で俺を見た。
『とにかく、一回頭冷やせ』

