『竜生、帰れ!!
話はまた今度だ! 騒ぎがでかくなる前に帰れ!!』
遥斗は昔からそうだ。
いざこざが嫌いで、いつも仲に入って関係を取り繕う。
俺よりもほんとはずっと大人なんだ。
竜生が自分の荷物を引っ付かんで、教室を出ていった。
『…クソっ…!』
俺は、拳で机を思いきり叩いた。
『凌央…』
今まで突っ立っていた里衣が戸惑いながら、声を発した。
『お前も、隙見せっからだ!
何で、キスなんかされんだよ!!』
『凌央、やめろ』
遥斗が口を挟んだ。
『ごめ…ん』
里衣の声が震える。
今は、何を言われてもダメだ。
俺の脳は完全にキレてた。

