記憶の片隅に




<高1〜夏〜>

夏休みに入る、二週間程前のこと。




今日は部活が休みだから、里衣と帰る約束をしてる。





俺は、里衣を迎えに里衣のクラスに向かった。





廊下から、里衣を呼ぶと里衣が両手を合わせて頭を下げた。





『ごめん!! 担任に学級委員の仕事頼まれちゃって…

遅くなると思うから、先に帰っててくれない?』





それなら、しょうがねぇか。





『りょーかい!! 頑張れよ』





里衣は、頷くと手をふった。





俺は、右手をあげて下駄箱に向かって歩き出した。