記憶の片隅に





帰り道、里衣と並んで歩く。





『凌央、怒ってるの…??』




里衣が、笑いながら聞いてきた。




『別に』




俺が、そっけなく言うと里衣はまた笑った。




『さっき、あたしが話してたから?

それなら、気にしないでよ。

ちゃんと断ったから』





『断ったって…何、言われたの?』





『“一緒に帰ってくれませんか?”って言われたから

“先着がいるから、ごめんなさい”って言っただけ。


何もすねることないでしょ!』





里衣が、からかうように笑った。