記憶の片隅に





『磯島?』




泣いてるあたしに誰かが声をかけてきた。




梨花子はあたしをギュッと抱きしめたまま





『竹田』




と言った。




“竹田優吾(タケダユウゴ)”




さっき、凌央に文句をつけてた。



でも、あれは優吾があたしのコトを考えてくれたからだと思う。




優吾とは、小学生の時からの仲。


お母さんどうしが仲良くて、よくお互いの家を行き来したりしてた。




優吾はあたしのコトを里衣って呼んでた。




いつからか、磯島になってた。




二人で話してる時だけは、たまに里衣って呼ぶけど。





それは、大人になった証拠。




いつまでも、小学生じゃない。




男の子はどんどん男になっていって、心も育っていく。




でも、優吾はいつも優しい。