記憶の片隅に





里衣は切なそうに俯いた。





『こんなに、あたしを想ってくれる人を…

これ以上、傷つけられないから。


忘れて。


そんな簡単な一言で、片付けられない関係だって分かってる。



でも、違うの。

記憶を失う前のあたしと…

今のあたしは、違う人間なの。



そう、想って。


凌央が恋してたあたしは、もういないの』





里衣の瞳に涙が浮かんでいる。





君がそれを望むなら、選択肢なんて1つしかない。




だけど… 一つだけ頼みがあるんだ。





『里衣… わかったから、聞いてほしいことがある。


恋人では無くなっても、友だちでいてくれねぇかな…?』






『もちろんだよ…。 それくらい、全然へいきだよ』





『サンキュ』





それともうひとつだけ、伝えたい。



ずっと、言いそびれてたコト。