記憶の片隅に





『それって、里衣ちゃんのこと?』





『里衣と友だち?』





『去年、同じクラスだったからね』


俺は、長いため息をついた。



『難しいよな、好きだからって何でも解決する訳じゃねぇんだよな』





『でも、好きだからこそすれ違うし、好きだからこそうまくいかないこともある。

人を好きになることって、すごくおっきいことだと思う。


恋は人を変える。


いい意味でも、悪い意味でも…』



星野の言葉は、切ない程俺の心に重なった。





『里衣ちゃんは変わった気がする。

凌央くんと別れる前より、雰囲気が少し暗くなった気がする。

きっと、彼女も彼女なりに苦しんでるし悩んでる。


あたしは、何も知らないけど…

何となく、そんな気がする』





星野が何を言いたいのかは何となく分かる。





俺だけじゃない。




里衣も悩んでるんだ。




俺が別れを切り出したのは、自分のせいだって責めてるかもしれない。




里衣の近くにいたかった。



理由は、よく分からない。



でも、切実にそう思った。