『キャハハっ』
学校の帰りに病院に行くと、病室から笑い声が聞こえた。
俺は、少し迷ってからドアを開けた。
『おっ!!中島ぢゃん!』
里衣のベッドの横に座った派手な女が俺に右手を挙げた。
その女の名前は、猪股梨花子(イノマタリカコ)。
中学、高校と同じで里衣の親友。
猪股には、里衣のコトで昔から相談にのってもらったりしてる。
結構、信頼できる女友達。
『猪股、病室では静かにしとけよ』
『だって、里衣めっちゃウケるんだもん。
早く、学校来てほしいよ〜。
里衣がいないとつまんない』
『早く行けるように、リハビリ頑張るから!!』
『頑張ってよ〜! あたし、そろそろ帰るねぇ。
中島!後はよろしく!!』
猪股は敬礼のポーズをとると、里衣に手をふって病室を出ていった。
『あいつ、相変わらずうるせぇな』
『凌央は…梨花子とも仲いいの?』
『仲いいっていうか… 信頼できる相談相手みたいな?
男友達みたいなもんだよ』
俺が言うと、里衣はくすっと笑った。