『あたしのコト、まだ想ってくれてる?』
里衣も緊張気味に言った。
『俺の気持ちは変わんないよ』
里衣は安心したように微笑んだ。
『あたし、気付いたの。
あたしが笑ってる時はいつも凌央が隣にいる時。
凌央のおかげで今の自分がいるのかもしれないとも思ったくらい。
やっぱり、あたしは凌央が好き』
里衣は俺の目をまっすぐ見て言った。
『里衣、俺と付き合って』
里衣は深く頷いた。
こうして、俺等は付き合うことになった。
それからは、一緒に帰ったり、休みが合えば遊んだり…
人並みにちゃんと付き合ってたと思う。
俺にとって、里衣は大事な存在で…かけがえがなかった。
それは今でも変わらない。
里衣が全てを忘れた今でも。