記憶の片隅に





−里衣side−




ホントは期待した。




もしかしたら、凌央が来てくれるかもしれないって。





でも、凌央は来なかった。




飛行機の中で、静かに涙を流した。





『さよなら』





小さく、小さく呟いた。




さよなら、凌央。