記憶の片隅に





次の日、俺は8時に起きた。




里衣が出発するのは11時。




あと、三時間だ。




ホントは、行かないつもりでいた。




でも、勝手に足が走り出した。




伝えたい、気持ちがある。



想いがある。




伝えなきゃいけない。




後悔する前に、いなくなる前に。



里衣が大切なんだ。




里衣を忘れたコトなんか、一度もない。




すれ違うだけで苦しくなって、想うだけで辛かった。




何も気づけなくて、ごめん。


傷付けて、ごめん。




俺が、そばにいたい。



里衣を幸せにするのは、俺でありたい。